トップページにある聖火台。
第3回アジア競技大会が東京で開催されることになり、川口の鋳物師である鈴木萬之助氏・文吾氏父子によって命をかけて製作されました。
高さ2.1メートル、重さ2.6トン。横線は参加国・地域の数、波模様は太平洋を表しています。
その後、1964年東京オリンピック競技会で使用され、東京オリンピックの象徴にもなりました。現在は新国立競技場の東側ゲートに設置されています。
鈴木文吾氏は当研究会が発足した時の講師でもありました。
写真のレプリカは現教室の講師である、萬之助氏の四男の明重氏が会員と協力し製作した聖火台の弟分。教室で見ることができます。イベントなどにも登場するかもしれません。
「鋳肌に魅せられた」ある年の開校式での先生の言葉です。
この教室で行われている鋳金工芸は手仕事です。材料は金属、砂、粘土などすべて身近にあるものです。限られた物の中から品物を作り出すために本当によく考えられています。
そして、道具と材料に実際に触れて作り上げた品物は、そうしてでしか味わえない実感をもたらします。
また、何より溶解した金属は人々を魅了し、出来上がった品物は写真では伝えられない存在感をもちます。
誰もが手仕事に価値観を見出すとは限りませんが、このような取り組みは、現代の枠組みや思考を乗り越える可能性をもつのではないでしょうか。