現埼玉県産業技術総合センター内に、川口美術工芸鋳物技術研究会が発足されました。その目的は伝統的美術工芸鋳物に関する製作技術の向上と、デザイン及び新技術の研究を行い、会員相互の鋳物技術、知識の修得、技能の向上に寄与し、工芸鋳物の新製品の開発と品質向上を計る事にありました。
大野元美元市長の要請を受け、川口市高等職業訓練校鋳物実習場に鋳金デザイン科の創設に当り、当会会員が全員参加しました。そして、鋳物工芸デザインの勉強は勿論、地場産業の伝統的技術の修得と、現代鋳物工芸の開発を目的として温故知新、古いものから新しい技術の発見に努力していきました。
会員増加により、組織の再編成を行い川口鋳金工芸研究会を発足。今迄の会の目的に加えて特に、現代鋳物工芸デザインの新製品、新技術の修得と開発を主眼とした、実習を行なう事を決めました。
川口市の鋳金デザイン科閉鎖を惜しみ、会員の熱望に依り、研究会自主運営による、川口鋳金工芸教室の開講が認められました。 以来今日まで、古来より受け継がれてきたホロ砂に依る惣型法の実習や、現在行なわれているロストワックス法、フルモールド法、ガス型法等の技術の調査、実用化の研修を始めとして、これを如何に工芸鋳物作成のために応用可能であるか、研究を続けています。
実習場を産業文化会館より川口市朝日の山崎鋳鉄工業所に移転。 男女、年齢を問わず一般市民が鋳物工芸の作品制作を通じ、新たな表現の可能性を探求する場として再出発しました。
元会長 大熊利一、岸洋、永瀬勇から引き継ぎ、猪股幸治が会長に就任
特に鋳物に関しては、技能士の免許なしでも、特別クラスの技能を有する優秀な技術者が在籍している。
加えて、鋳物という特殊な技術に、一般の市民が接し、工芸作品の制作を通じながら、
この工程の運営に参加していることは、全国に類例を見ない創造の場を運営しているものと考えている。